白いタオルが青い空にキレイに映えた。
「うん。気持ちええ」
腰に手をやって一人晴れやかに笑う。温かい風にタオルがふわりとなびいた。
家の中に入ろうと、スペインはおっこらせともう何も入っていない籠を取った。
「今日は何食べよ。ロマーノにも聞かなぁなー」

家の中にいた子分は案の定で、でも最初よりはちょっとはマシになったとも思う。
同じことの繰り返しでなく、少しずつでも成長してるのが嬉しい。
もしかしたら自分のロマーノに対する合格ラインというか、見る目が甘くなったからかもしれないけど、
それはそれで自分の心が広くなったと考えたら悪くは無い。だって親分やもん。大きい男にならんと。
「スペイン、腹減ったぞ。ちくしょー」
「うんうん。作るから待っとき。何がええ?」
「トマト」
「じゃぁ、いっちゃん食べごろなん取ってきてくれるか?」
ロマーノはおうと言って椅子から飛び降りた。まだまだ短い足で早く食べたいのか急いで走っていく姿はまだまだ可愛い。
キッチンに行くと彼に頼んでいた皿洗いは全部終わってなかったが、残っているのは洗いの難しいもの、力がいるものがほとんどで頑張ったんやなぁ、なんて思う。
少なくなったと言えどもまだ時たま皿は割れるから、だいぶお皿の枚数は減ったけど。
その分ロマーノは大きくなったんだから別にいい。
「取ってきたぞ」
「ん、ありがとう。皿洗いも頑張ってくれたんやなぁ」
褒めると少しだけ赤くなって、まあな、と照れを隠してぶっきらぼうに子分は言った。
渡されたトマトは真っ赤で、ちっちゃな手にのった大きなそれを一個ずつ受け取る。
「そしたら美味しいもんつくるから、待っとき。あ、お皿出しといて」
どんな、と聞かれたから、平ったい大きいの、と答えた。おし、パスタにしょ、と心の中で呟く。
皿を取りにいくロマーノの背を見つめてから、手の中にあるトマトを親指の腹で撫でて、言った。
「トマトを選んだのはロマーノやし、絶対美味いわー」
「あたりまえだ、ちくしょー」
向こうから聞こえてきた声に、スペインは笑った。
二人で
成長していけたらええやん?